一般的なインプラント
1本または数本、あるいはすべての歯を失った場合にも、インプラントは永久的に新しい歯を得る方法として有効です。また、インプラントで支えられた歯は従来の補綴物と違って以下のような利点があります。
自然な歯のような機能や外観、感覚が得られます。
自信を持って話し、笑い、食べることができます。
固定式のため天然歯と同様に非常に噛みやすく、
隣接する歯を削る必要もありません。
「何故インプラント治療がよいのか?」
「従来の入れ歯やブリッジ(歯と歯に橋をかける治療方法)でもいいじゃないか?」
と言う人がいますが大きな間違いです。
インプラント治療が可能であれば、現在の歯科治療のレベルでは(コストを考えなければ)最善の方法なのです。その一番の理由は、他の方法では失われた歯根までは回復できないためです。
どんなによくできた入れ歯でも元々の天然歯の噛み合わせる力の3分の1程度でしかありません。
インプラントなら骨に埋まったインプラントが骨としっかり結合しているので、噛む力も天然歯と比べて遜色がありません。
インプラントの長所と短所
長所
- ●
- 噛む力を回復するので、自分の歯のように固いものを噛むことができるようになります。
- ●
- 顎の骨にしっかり固定するので、違和感がなく噛むことができます。
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- よく噛めることは全身的にも、周りの歯にもよい影響を与えます。
短所
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- 全身の疾患がある場合には治療ができないケースがあります。
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- インプラントを維持するためには十分な口腔衛生の管理と定期的な検診が必要になります。
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- インプラントを顎の骨に埋め入れる手術が必要です。
CT導入による正確な診断
CTが導入されたことにより、当院での術前・術後にて迅速な診断が可能となりました。
CT撮影では3D画像が得られ、正確性・安全性を高めています。従来のレントゲンでは、口腔内を平面のデジタルX線写真で診断をしていましたので、顎の骨の高さは把握できても骨の幅までは正確に把握することができませんでした。
今までの平面から立体(3D画像)で口腔内を見ることができるようになり、得られる情報はより正確になりました。また、当院に導入することにより、他の関連病院にCT撮影に行く必要もなくなりました。
CT撮影を行うことにより、治療内容を視覚的に理解することができ、患者様には、安心して、納得したうえで治療を受けていただけます。
ノーベルカイドの導入
ノーベルガイドとは、CTで撮影した口腔内の画像からコンピューターの画面上で手術のシミュレーションをし、インプラントの埋入が正確に行われるように誘導するシステムです。
治療の流れ
- 1.
- CTで撮影した画像から3D画像を起こし、それをもとにコンピュータ上で手術のシュミレーションを行います。最終的な歯の3D形態と骨の画像を同時に考慮してインプラントの埋入位置を決定します。
- 2.
- 患者様のお口の中の情報(骨の厚みや硬さなど)を技工所に送信し、インプラントを正確に入れるためのガイド(マウスピースのような物・外科用シーネ)を製作します。
- 3.
- 手術当日、ガイドを歯肉に装着・固定し、そのガイドに沿ってインプラントを埋入します。
メリット
●安全で正確にインプラントを埋入できる。
●手術時間を短くできる。
●ガイドに沿って小さな穴を空けて埋入するため、侵襲が少ない。
ただし、ノーベルガイドによる治療は、すべての歯科医院で受けられるわけではありません。
ノーベルガイドシステムを導入している医院で受けることができます。
インプラント治療の流れ(2回法の場合)
- 検査・診断
- 問診、触診、レントゲン写真、CT、歯、歯列模型、口腔内写真。
- インプラント埋入前の処理
- ・口腔内の清掃の徹底、残存歯の治療(歯周治療、むし歯の治療、咬み合わせの治療など)。
・骨の再生手術(上顎洞底挙上術、顎堤増大術など)。
※インプラント埋入と同時に行うこともある。
- インプラントの埋入手術
- 一次手術(インプラント埋入手術)
下顎:2~4ヶ月 上顎:3~6ヶ月
※インプラント体の改良により、期間は短くなりつつある。
- 経過手術
- 二次手術(頭出し手術)、歯肉移植手術、仮歯装着など。
仮歯の修正:約2ヶ月
- 上部構造製作
- 印象採得(型どり):約1週間
咬合採得(咬み合わせの記録):1~2週間
試適:約1週間
- 装着
- 装着後、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月の周期(目安)でメンテナンスを行う。
メンテナンスの周期、期間は患者様の口腔内の状況、清掃状態により異なる。